赤外線による非破壊検査

非破壊検査とは、「対象の物体を壊すことなく、その内部の欠陥や劣化の状況を調べ出す検査技術」のことを言います。例えば、私達が普段利用している自動車や鉄道車両、航空機、他には原子力圧力容器やロケットなど、様々な工業製品が非破壊検査を必要としています。対象を壊すことなく検査を行い、製品や設備の信頼性を高めて寿命を長くすることによって、産業廃棄物を減らすことに繋がり、自然環境を維持するためにも非破壊検査は必要不可欠な検査技術です。非破壊検査のひとつである赤外線サーモグラフィは、対象の物体の表面の温度や温度変化を赤外線で調べることにより内部の状況を知ることが出来る検査方法です。

例えば電気モータの加熱などは、外側の温度が異常に高くなることで知ることが出来ます。また、発熱をしない対象物を検査する場合には、外部から熱を加えて起こる温度変化を赤外線カメラで測定することによって検査を行います。欠陥は周囲とは熱の伝わり方が異なるため、表面の温度変化に影響することを利用しており、これが「アクティブ・サーモグラフィ」と呼ばれる検査方法です。加熱方式が一般的ですが、冷却して検査を行う方法もあります。

加熱は、超音波による振動エネルギーや輻射熱、電磁力によるものや太陽光などがあり、冷却は、自然冷却や気化熱、低音ガスの吹き付けなどの方法があります。それぞれ、対象物の大きさや熱的な特性により、様々な方法が用いられています。

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